以前、とある大学の講演会に呼ばれたとき、1人の生徒が私にこう質問しました。
私は、端的に「幸せであり続けるためです」と答えました。
この回答を見て「どうせきちんと食べて、病気なく、健康で、やりたいことを目いっぱいやれる身体を維持するためでしょ」と思った人もいるでしょう。
――いいえ、違います。
健康であることやキレイであることは、もちろん重要。
けれど、健康な人がみんな幸せでしょうか?
キレイな人はみんな幸せになれるんでしょうか?
そうじゃないですよね。
健康な人でもきれいな人でも、自殺する人はいる。
じゃあ、何?
幸せに生きるために最も重要なことは
「自分を大事にすること」
私は、食を大切にすること、つまり「自分の身体に入れるものをちゃんと大事にすること」が「自分を大事にすること」だと考えています。
だから、食を大事にするんです。
その大学生たちには、ちょっと難しい話かなと思ったので、こんなたとえ話をしました。
あなたが、自分の好きな洋服をフルセットで、プレゼントしてもらえることになった。
どんな高級品でも、プレゼントしてあげよう。
けれど、その服はあなたが生きているうちで着られる唯一の服です。
それ以外の服は、もう着られません。
破れても、汚れても、その服を着なければなりません。
あなたは その服をどう扱う?
こんな質問をしました。
めちゃくちゃその会場がざわつきましたね(笑)
わけわからん。何言い出してんだ? そんな空気。
そんな中で、その生徒は「それしかないなら汚れたら手洗いして、破れたら縫う」。そう答えました。
そうですよね。
つまり、大切に扱う。
それが「あなた自身」なんです。
だから、どんなに汚れても、どんなにほころんでも、汚れを落として、ほころびを繕って、生きていかなければならないんです。
それくらい、あなたは大事なものなんです。
あなたの代わりはいないんです。
その大事なあなたの中に、取り込む食べ物が適当なものであってはならないと私は思います。
だから、私は食を大切にするし、皆さんにも大切にしてほしいと思います。
そしてもう1つ。あなたはその自分自身という洋服をどのようにでも「アレンジ」できるんです。
ただ、アレンジ方法は、学ばなければ知りえない。
私は、そのアレンジ方法の1つが、「食」だと確信しています。
だから、私はなりたい自分になれるように、食を大切にして、自分という洋服をアレンジしているんです。
大学生の頃の私と、今の私は全然別人の私です。
けれど、私は「自分」を脱ぎ捨てたわけではありません。
自分の気になる汚れを落とし、自分でアレンジしていったんです。
自分は、この世にたった1つしかない大切な「自分」なんだ。
アレンジ次第で、何にでもなれる「自分」なんだ。
その自覚を持てば、「自分を脱ぎ捨てたい」「あの人はいいな」「こんな自分嫌だ」という意識はなくなります。
だから、食を大切にするんです。
どうでしょう?伝わりましたか?
さて、あなたはどうでし ょうか?
自分を大切に扱うことができていますか?
「自分のごはんだから適当でいいや」と、自分を適当に扱っていませんか?
あなたはたった1人しかないのです。
自分の人生を幸せにできるのはあなた自身だけです。
自分を大切にし、自分を幸せにするために、自分の食も大切にしてあげましょう。
諦めないで。
あなたはこの世で、たった1人の大切な存在なんです。