Column

栄養の話

お菓子が減らせない原因|糖質過剰で不足する微量栄養素とは

体質改善栄養論

「お菓子は食べすぎちゃダメって知ってるのに止まらない…」

意思が弱いから甘いものがやめられない、とご自分を責めてしまう方も多いのですが、実は「栄養不足」が原因でお菓子がやめられなくなる場合もあります。

今回の記事では、お菓子がやめられなくなる原因とその解決方法の1つをお話します。

栄養指導をされている栄養士さんへ

ここでは「お菓子を買わないようにしましょう」というような一般的な回答ではなく、根本的な体質改善を目指せる栄養学をお伝えします。

日本人は、気づかぬうちに糖質過剰?

パンにパスタにラーメン&チャーハン、焼き菓子に和菓子。

気が付いたら糖質だらけの食事になりがちなのが現代の日本人。

(もっと言えば、大量の糖質に大量の油をかけ合わせた料理が多くなりがち)

 

糖質消費が多い人ほど、意識して摂らなければならない栄養素があります。

それが「マグネシウム」

マグネシウムは、不足すると糖尿病や高血圧にもなりやすくなると言われています。

だからこそ、絶対に不足させたくない栄養素の1つ。

しかし、糖質を多くとる人は、マグネシウム不足に陥りやすいのです。

糖質がエネルギーに変わる仕組み

糖質の摂りすぎがなぜ「マグネシウム不足」と関係しているのでしょうか?

その理由を説明していきますね。

 

こちらの図をご覧ください。糖質がエネルギーに変わる流れです

ごはん・パン・砂糖などの糖質は、体内で分解され主にグルコースへと形が変わり、解糖系→ミトコンドリアへと進みます。

オレンジ色で記した解糖系をさらに細かく見ていきましょう。

糖質代謝の補酵素

解糖系ではさまざまな酵素が間で働いていますが、その「補酵素」としてマグネシウムが使われています。こちらの図を見てください。

ね? 糖質を食べだけでこれだけのMg(マグネシウム)が消費されるんですよ。

解糖系だけではなく、この先にあるミトコンドリア内でもマグネシウムが利用されます。

私はこの事実を知った時、「うぇ、そんなに使われているの…」って驚愕しました。

そりゃ、糖質をたくさん摂ればマグネシウム不足になるのもわかるし、意識してなければ不足するのも納得ですよね。

 

糖がエネルギーになるのにこれだけのマグネシウムがいる。

「糖質の代謝にはビタミンB1が必要」ということは、家庭科の教科書にも載っていたりするのでご存じの方が多いですが、マグネシウムもこんなに必要なのです。

じゃあ、マグネシウムが不足していたら?

そう。食べた糖質がエネルギーに変えられなくなる。

 

だから、「糖質が好きならマグネシウムもしっかりと補給する」ということを覚えて置き、しっかりと実践すべきなのです。

ここをしっかりとおさえておくと、甘いものを食べすぎを防ぐことができるかもしれません。

 

ただ、その他にも、ビタミンB群や鉄も糖質の代謝に関わっていますので、マグネシウムを補給しても変化がないな、という方は、これらの栄養素も気にしてみると良いかと思います(また後日詳しく解説しますね)。

マグネシウムを摂取するための食事改善方法

マグネシウムが多い食品は、海藻と種実類、そして緑色の野菜など。

おにぎりや麺類が好きな人は、あおさ、小魚、小松菜やくるみなどを意識して食べてくださいね。

私はおにぎりをお昼ご飯に出すときには、あおさやわかめ、豆腐や小松菜、ほうれん草などをたっぷり入れたお味噌汁を一緒に用意します。

 

また、ものによってではありますが、もいいマグネシウム補給源です。

塩を選ぶときには「平釜」の工程で作られた塩を選べると、比較的ミネラルが残っており、いいマグネシウム補給になります。

最近では、塩の成分表示にマグネシウム量も記載するメーカーが増えてきました。

マグネシウム含有量に自信があるメーカーほど、しっかりとパッケージの裏にマグネシウム含有量を記載していますので、ぜひ、塩をご購入される際には裏面もチェックしてくださいね。

おいしい天然塩(天日塩)を使って、料理も楽しみましょう!