健康診断で引っかかってしまった「LDLコレステロール」と「中性脂肪」を改善するのは難しいと感じていませんか?
「適度な運動をしましょう」「栄養バランスに気をつけましょう」というようなあいまいなアドバイスを受けても、なかなか実践に移せる人はいません。
LDLコレステロールと中性脂肪の下げ方の違いを知って、改善対策を考えていきましょう。
栄養指導をされている栄養士さんへ
ここでは杓子定規な指導法ではなく、代謝の仕組みを理解した数値改善につながる栄養指導スキルをお伝えします。
中性脂肪・LDLコレステロールの違いとは?
中性脂肪とLDLコレステロール。
この数値が高いと「脂質異常症」だと言われ、どっちも同じようなもののようにとらえがち。
私も病院で外来栄養指導をしていたとき、この2つは「脂質異常症」のパンフレットを使って、ほぼ同じような栄養指導をしていました…
ですが、実はこの2つ、大きな違いがあって、検査数値を改善する方法も大きく異なるんです。
じゃあその大きな違いって??
それは、「エネルギーになるかならないか」です。
中性脂肪の落とし方
中性脂肪は、貯蓄エネルギーとしての役割があるため、必要時には体内で燃やされてエネルギーになります。
なので一般的に、運動すると中性脂肪は落ちやすくなるんです。
また、中性脂肪を低下させるには、糖質過剰や夜遅くの飲食週間も改善することも重要です(ただし、「糖質制限」や「夕食抜き」のような過剰な制限は不要です)。
LDLコレステロール値の下げ方
一方LDLコレステロールは体内で様々な物質を作る時の材料として使われます。
ホルモンやビタミンD、細胞膜の材料や胆汁酸などに使われ、エネルギーとして燃やされることがありません。
ということは、LDLコレステロールが高い人ががんばって運動しても、LDLコレステロール値は下がらないってことです。
では、LDLコレステロールはどうしたらいい?どうやったら下がるの?
その答えは、「捨てる」です。
実は、不要になったLDLコレステロールは「胆汁酸」の形に変えらえ、体外に排出されるのです。
どこに胆汁酸が捨てられるかって?
それは「腸」です。
鋭い方は気がついたかもしれません。
そう。
腸内環境が悪いと、余分なLDLコレステロールはスムーズに捨てられない。
実は、胆汁酸は捨てられずに腸から再吸収されることも多いため(二次胆汁酸)、スムーズに捨てられなかったものは、また体内に取り込まれてしまうのです。
だからこそ、余分なLDLコレステロールの排出には、良い腸内環境が必要だよ、という1つの結論にたどり着くわけです。
LDLコレステロールが高い方は、腸の状態があまりよくないですよ、というサインかもしれませんので、LDLコレステロール値が高い方は、腸内環境を整えることからスタートさせることをおすすめします。
薬で下げるのはどうなの?と思う方がいると思いますが、
LDLコレステロール値が250とか500とかである場合は間違いなく薬は必要だと思います。
ただ、過剰に高くない場合はあまりおススメしないかな……というのが個人的な意見です。
(といっても医師の指示に従うのが一番です。医師の指示に従って正しく内服しましょう。)
中性脂肪とLDLコレステロールの下げ方まとめ
まとめです。
中性脂肪を下げる → 運動する
LDLコレステロールを下げる → 腸内環境改善
中性脂肪もLDLコレステロールも共に下げたい、という場合は、「運動」と「腸内環境」の両方が必要。
そう頭の片隅にいつも置いておいていただけるといいかと思います。
中性脂肪やLDLコレステロール対策は、ストレス対策とも一致するのでぜひとも取り組んでいただきたいものです。
お互い、合間の時間をうまく活用して気持ちよく汗をかき、いらないものは毎日すっきり出せる体をつくりましょう!
【補足】
あくまでも、中性脂肪もLDLコレステロールも、身体にとっては必要なものですので、低ければ低い方がいいと思いすぎないようにしてくださいね。
この話はまた重要なところですので、別でお話をさせていただきます。